ベルギービールの分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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|分類|ランビック|ホワイト|ブラウン|レッド|トラピスト|アベイ|セゾン| | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|クリスマス|工事中| | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ランビック・ビール Lambic | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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この辺りに生息する空気中に浮遊する野性酵母(86種類確認)により、自然のなすがままに発酵させる自然発酵という原始的な技術を用いています。 野生酵母は、ブレタノマイシセス系ブリュッセルンシスとブレタノマイシセス系ランビクス。さらに微生植物も一緒に取り込んでいます。 グレープフルーツを思わせる独特の香りと鋭い酸味を特徴とし、古酒と新酒をブレンドするグーズGueuzeや甘味を付けたファロFaro、チェリーを漬け込んだクリークKriek が代表的です。他にもフランボワーズFramboiseやいちご、マスカットブドウなど様々なフルーツを使用したビールがあり、バラエティーに富んでいます。醸造所ごとの個性が出ていて楽しいのも特長です。 ◆ブリューゲル・ロード(Bruegel Route) このあたりの醸造所やビア・カフェでは決まってブリューゲルの絵を飾っています。ピーテル・ブリューゲル(大ブリューゲル1528〜69)は、当時では例外的に名もない農民達とその生活を好んで描いたので「農民のブリューゲル」と呼ばれました。彼の作品の舞台となったところが、ほぼペヨッテンランドと一致し、そこに暮らす人々の生活は16世紀以降も変わっていないようにも見えます。 この地域全体に「ブリューゲル・ロード」という観光ルートが整備されています。このルート上には、ランビックビールを醸造するメーカーが多数あります。「〜beek」と付く町の名が多いのですが、このbeekとは「小川」の意です。ゼナ川に注ぎ込む無数の小川がこのあたりにあり、この地域だけにすむ野生酵母が生息しやすい環境を作っているようです。
ランビック Lambicランビックビールは、麦芽でない小麦(生小麦)を30%以上と大麦麦芽をブレンドした醸造します。麦汁に加えるホップは、1年から3年寝かせて完全に酸化し、苦味の成分が消えたもの使用します。通常のビールの3倍から6倍のホップを使用することによって雑菌の繁殖を防止し、長期の熟成に耐えるように仕込まれます。 麦汁は、屋根裏に設置された四角形の底の浅い冷却槽で一晩冷却されます。その際、天井の隙間から野生酵母が麦汁の上に降り注ぎます。この麦汁をオーク樽で醗酵させ、熟成させます。 ※なお、Inbevでは、1998年から密閉されたタンク(yeasting kettles)に空気を注入する方式で大量に麦汁が作り、ベルビューを醸造している。
ブレンドをしない単なるランビックLambicは、醸造所や特定のカフェだけで味わえる特別なものとなっています。陶器のピッチャーからグラズに注ぎます。 グーズ Gueuze(Geuze)
◆ランビックビールのブレンダー 昔から麦汁やランビックを醸造所から購入し、自前でグーズやクリークを作るということが行われていました。しかし、現在ブレンド専門のメーカーはハンセンスHANSSENSとデ・カムDE CAM、カフェではドリー・フォンテネンDRIE FONTEINENの3軒だけになってしまいました。ブレンドのために購入するのは、麦汁にホップが加えられ煮沸濃縮されたもので、冷却槽で一晩冷却する際、野性酵母が屋根から降り注いだ麦汁です。
クリーク Kriekクリークは、ランビックにサクランボ(チェリー、クリーク)を漬け込んだフルーツビールです。フルーツ・ランビックは、通常6ヶ月物のランビックに果物を加えます。ランビックビール中の酵母は果実の糖分を得て再度醗酵を始め、6ヶ月をさらに過ごして完成します。カンティヨン醸造所では7月の終わりにサクランボをランビックの中に入れ、5〜6ヶ月間かけてサクランボが溶けるのを待つそうです。ビール1リットルに対し300gのサクランボを漬け込み、自然の糖分が甘味がなくなるまで醗酵し熟成したものが本当に美味しくいただけます。 日本では、クリークなどのフルーツ・ランビック、それも甘味を付けたものがランビックを代表するものと一般に思われているのは残念です。 なお、使用するクリークは、ブリュッセル近郊のSchaarbeekスカルベーク産のものを使用するのが一番よいクリークができるとされています。1990年代末、2年間に渡ってこのスカルベーク産のクリークが不作で、使用できない時期がありました。この間、カンティヨン醸造所はクリークの生産を止めています。他のフランク・ブーンやジラルダンといった秀逸なメーカーはポーランド産のチェリーを使用し、そのチェリーの性格からどこか甘く、質の悪い感じを出して、イメージを損ねてしまいました。納得のいく醸造をして欲しいものです。
フランボワーズ Framboiseランビックに木いちご(フランボワーズ、ラズベリーRaspberry)を混ぜて仕込んだものです。仕込みの方法はクリークと同じ。アメリカでは、フルーツ・ランビックの中ではクリークを超えて一番人気があるといいます。 その他のフルーツ・ランビック伝統的なフルーツ・ランビックとしてクリークやフランボワーズのほか、一般的なものとして、カシスやペシェ(桃)があります。特にアメリカにおいては、ペシェがフランボワーズに続く人気ということで、なんとクリークが3番目だそうです。カンティヨン醸造所にはマスカット・ブドウを使用した「Vigneronne」や黒ブドウを使用した「St. Lamvinus」、アプリコットを使用した「Fou' Foune」など、果実を漬け込という伝統的手法で作った新しいフルーツ・ランビックがあります。ハンセンスのHanssens Oudbeitjeもイチゴを漬け込んだ伝統的手法によるものです。 しかし、デ・トロック醸造所のバナナ・パイナップル・リンゴ・イチゴ等のフルーツ・ランビックは果汁を加えたものです。果汁使用のフルーツ・ランビックは、甘味が強調されていて、飲んで美味しいですが、本来の「フルーツ・ランビック」としてはおろか、「ビール」として認定したくはありません。ビール・カクテルです。
ファロ Faro伝統的なものには、ランビックにキャンディー・シュガーやカラメルを加えて作ったファロがあります。度数はランビックよりおおむね低くできています。日本には、現在リンデマンス・ファロLindemans Faroの1種類だけが定番で輸入されています。2002年に限定で、ブーン・ファロ・ペルトターレBoon Faro Pertotaleも輸入されています。 新しいスタイルのランビック伝統的な醸造方法を守るランビック・ビールですが、近年になって新しいタイプのランビックビールが現れました。ティメルマンTimmermansでは、1993年にウィット・ビールにオールド・ランビックをブレンドしたBlanche-Wit Lambicを発売しています。 カンティヨン醸造所では、小麦の代わりに大麦を使用、また、古いホップの代わりに新鮮なホップを使用したカンティヨン・イリス Cantillon Irisを醸造。さらに、伝統的ではあるがビールリキュールをブレンドしたというル・ペペLou Pepeシリーズを発表。これはボルドー産サンテミリオンの樽を使用し、3年以上熟成した最高のランビックに、ビールから造られたリキュールを瓶詰め前に極少量ブレンドし、瓶内発酵を促進させたものでグーズ、クリーク、フランボワーズの3種類が発売されました。 また、リンデマンス醸造所にもティー・ビールTea Beerという紅茶を使用したランビックがあります。紅茶ばかりでなく、レモン、ピーチ、ミント、グリーンティー、さらにレモン果汁まで入れたビールで味わいはレモン・ティー。 2000年クリスマス、2001年新年用に作られたHanssens Mead the Gueuzeは、70%のグーズに30%のハチミツを加え、4ヶ月熟成させたもの。さらにアルコール度数が高められ9%にもなっている。 西フランダース州の自然発酵ビール(Westvlaams spontanous)昔から麦汁だけを他の醸造所に卸されたり、他のブレンダーに卸されたりされていたランビックビールだが、州を越えて卸されることさえありました。西フランドル地方にあるヴァン・ホンセブルグ醸造所(主要銘柄:サン・ルイ St.Louis)とボックオル醸造所(主要銘柄:ジャコバン Jacobins)は、それぞれヴァン・ハエレン醸造所、ヘイヴァエルト醸造所からランビックを購入してランビックビールを醸造していましたが、どちらも卸元の醸造所が閉鎖してしまったので、自前でランビックを造っています。これらのビールは、Westvlaamse Spontane Gisting(西フランドルの自然発酵ビール)と名付けられ、本来のランビックとは別なものとして分類されています。 なお、最近東フランダース州のVan Steenberge醸造所でも、Bios Kriek(米Cherishラベル)を醸造し始めましたが、分類上はここに分類されると思います。 |
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