第2回ベルギー王国ビール探訪記(11)

 博物館

ビール醸造者ギルド

★ビール醸造者ギルド

 中世のビール醸造者の組合(ギルド) の建物が幾つかの都市に残っている。その中でブリュッセルのグラン・プラスにあるビール醸造者ギルドが一番有名で、現在もベルギービール醸造所協会(CBB)の建物として使用され、1階にはビールの守護神聖アルノルドス像が置かれている。地下はビール醸造博物館となっていて、昔の器具や最新の醸造設備の展示、中世のカフェを模したカフェコーナーなどがある。醸造関係のビデオ上映があったので興味深く見ていたら、以前お会いしたことがあるヴァプール醸造所のジャン=ルイディツJean-LouisDits氏が登場し、セゾンビールの醸造工程を説明していた。
 入場料にはグラス一杯のビール代も含まれていて、ライト」(ピルスナータイプ)ダークの2種類から選んで味わうことができる。銘柄名は不明であるが、以前来た時とは異なるビールだったので週替りという説も頷ける。どちらも炭酸の発泡感が押さえられていてまろやか。旨いビールを飲むためだけでもこの博物館を訪れる価値がある。

再びファンドーレンさん スクリーンでは醸造所の紹介 壁に飾られたアンティークなカップ

 アントワープにもビール醸造者ギルドの建物が残っている。1500年代半ばにアントワープに上水が設けられた時、貯水用の建物として建てられた。建物の地下に巨大な貯水槽があり、馬の力で汲み上げ機を動かし、汲み上げた水を当時たくさんあったビール醸造所に分配していたという。壮麗な会合の部屋には昔のテーブルや椅子が置かれているが、壁紙として金の装飾を施した革(17世紀のもの)を使用しているのが見事で、Pellegriniによるフランドル絵画なども飾られている。他の部屋には昔のビール醸造に使用した道具類やナポレオンがワーテルローの戦いに同行させた給水車などが展示されている。この建物でビールを醸造していたわけではないが、デ・コーニンク醸造所の醸造工程の写真や資料が展示してあるので、醸造の知識も得ることができる。

【データ】 ビール醸造博物館CBBMuseum 入場料100BF10Grand'Place,BRUXELLES) 0251149.87
ビール醸造者ギルドBrewers'HouseMuseum 入場無料20AdriaanBrouwerstraat,ANTWERPEN) 0323265.11

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