Lefebvre 樽生ビールを味わう!(1)
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日時:2003年8月

場所:イドロパット(渋谷)

※お盆の期間中、イドロパットで、ブラッセルズ直輸入の樽生ビールが飲めた。

※右はイドロパット副店長の守屋さん
イドロパットは無休。8月中旬、他のブラッセルズ各店がお盆休みの中、イドロパットでは、日本初になる樽生のベルギービールがほぼ日替わりで飲むことができた。
 これは、今年からブラッセルズが取り扱い始めたルフェーブル醸造所の樽生ビールで、サンプルとして各銘柄1樽づつ送られてきたというレア物。今回はフローレフ・ブロンド樽生 (6.3% 15リットル)、フローレフ・ダブル樽生 (6.3% 15リットル)、フローレフ・トリプル樽生 (7.5% 15リットル)、バルバール・ウィンター・ボック樽生(8% 15リットル)、セゾン1900樽生(5.2% 30リットル)、ブランシュ・ド・ブリュッセル樽生(4.5% 30リットル)の6種類。
 この樽生ビールを味わおうと、ベルギービールファンがイドロパットに集まった。
以下、我々がこの期間中に味わったビールについて紹介する。
Floreffe Double フローレフ・ダブル樽生 (6.3% 15リットル)
↑Floreffe Double樽生と瓶の飲み比べ
↑Floreffeの樽は15リットル
8月5日(火)にブラッセルズ神楽坂店でウルトラ・ブリューン樽生を飲んだ折、真弓店長からお盆にイドロパット(以下「イドロ)」)で樽生が飲めるとの情報。8月11日(月)にブラッセルズ神田店を訪れたときに滝沢店長から「今日、イドロパットに運んだ」という話を聞く。併せて銘柄の確認をする。また、鴻巣同心は11日夕方、イドロに電話をかけていて、守屋副店長から「まだ繋いでいる樽がだいぶ残っているので明日は無理かも」との情報も得ていた。
 8月12日夕方、イドロに連絡すると、「もう繋いでいる」という話。さっそく私(奉行)と鴻巣同心の二人は、イドロに駆けつけた。
 早速、Floreffe Double樽生を1杯づつ、そして瓶を1本注文し、飲み比べる。
 フローレフ・ダブルFloreffe Doubleはブラウン・エール。普通ブラウンなビールは、麦芽をローストした際の甘味が残っていてコクが豊かなビールなのだが、このダブルは、その甘味分も発酵させてほとんど甘味を残さない。かなりドライなビールで特徴的だ。樽生はよりフレッシュだが、樽も瓶も味わいには微妙な差があるだけで、瓶にやや熟成した感じが感じ取れるかどうかといった程度で基本的に変わらない。瓶は当然リーファーだが、こんなにも違わないのも珍しい。どちらも★★★。
 このあと、La Namuroise Bruin Bier(7% 33cl)とLa Namuroise Amber Bier(7% 33cl)、La Choufe(8% 75cl)を飲む。
 この日午後9時くらいになり、樽の残りを聞くと、大体3分の1くらい残っている感じだという。なお、フローレフ・ダブルは前日(11日)の夜中に開き、2杯出たということ。まわりのお客さんたちもフルーレフ・ダブルを飲んでいて評判のようである。
 そして時間がたって、午後9時半ごろ、ダブルの樽が空いてしまった。
Barbãr Winter Bok バルバール・ウィンター・ボック樽生 (8% 15リットル)
 ダブルが空いたが、次に繋ぐビールが決まっていないというこで、守屋副店長から我々の飲みたいものを繋いでくれるという嬉しい申し出があった。15リットルの樽と30リットルの樽では、樽口の形状が異なるということで、まず15リットルの樽から順番に出していきたい。フローレフ・トリプルは美味しそうなのでフルーレフ・シリーズの最後に出したいという守屋さんの話しも聞き、バルバール・ウィンター・ボック樽生をお願いすることにした。その次はフローレフ・ブロンド、そしてフローレフ・トリプルという順番も決まった。
 Barbãr Winter Bok バルバール・ウィンター・ボック樽生は、ブラウン・ハニー・エール。フルーティで蜜の香りがする。味わいもローストした麦芽の甘味と蜜との濃いハーモニー。全くひっかからないスムーズな喉越し。思わず「旨い!」と言わせるビールである。★★★★++++満点4つ星にプラスが4つも付く味。
 まわりのお客さんたちも樽が変わったことを知って、次々にバルバール・ウィンター・ボックを飲みだす。とんでもない人気。5杯も飲んでいるカップルもいた。1樽15リットルで1杯250ml。60杯分の計算である。このビールもすぐになくなりそうだと感じながら、この日は終了。
Blonde de Floreffe フローレフ・ブロンド樽生 (6.3% 15リットル)
次に私が訪ねたのは8月14日(木)。行くと与力が店にいた。フローレフ・ブロンドを期待して行ったのだが、なんとこの日のお昼に空いてしまったというのだ。
 守屋さんの話しでは前日8月13日の夕方には、まだバルバールが残っていて、代官、ベティさん、エヌ柿さんらが味わっていたという。みんなが帰ったあとバルバールは空き、フローレフ・ブロンドを繋いだという。そして、翌日日の昼に無くなった。ということで、私は飲みそこなった。
 守屋さんは、「すごく旨かった」と言う。このビールを飲んだのはエヌ柿さん。
 なお、樽口にビール名としてBlonde de Floreffe ブロンド・ドゥ・フローレフと書いてあり、瓶の表記と異なる。
Triple de Floreffe フローレフ・トリプル樽生 (7.5% 15リットル)
さて、ブロンドは飲みそこなったので、トリプルを樽生と瓶とで飲み比べ。フローレフ・トリプル樽生は、フレッシュ。色はクリアーなゴールド。リンゴジュース的な香味もわずかに感じられフルーティ。蜜の甘味とホップの苦味が調和している。あまりにスムーズな喉越し。これも★★★★++++満点4つ星にプラスが4つも付く味。
↑トリプル樽生(左)と瓶(右)
↑Melier,Triple,Doubleの瓶
 フローレフ・トリプル瓶(7.5% 33cl)はもちろんリーファー。フローレフ・ダブルは樽と瓶とであまり差が無かったが、トリプルは大有り。まず、ビールが軽く濁っている。瓶底のオリをグラスに入れるとさらに濁る。オリがある分、樽生にはないコクや複雑味がある。旨いのだが、樽生の喉越しにはかなわない★★★☆。樽生はあまりに美味しいので3杯飲んだ。与力も3杯飲み、60杯のうち6杯、すなわち10分の1をを二人で飲んだことになる。
 なお、樽のビール名は、Triple de Floreffe トリプル・ドゥ・フローレフとある。
 このあと、La Namuroise Blonde(8% 33cl)、を飲んだあと、Montagnarde樽生を飲んで、フローレフの瓶、Floreffe Double(6.3% 33cl)とFloreffe Melier(Brune 8% 33cl)を飲む。
 今回樽が来なかったFloreffe Melier(昔はLa Meilleureといった)は、同じブラウンのダブルとは全く異なり、アニスとコリアンダーの香味(とくにアニスが強い)があり、ボディーがありフルーティでスパイシーなビール。
 とにかく、昔輸入されていたフローレフを知っている人には目からウロコ。フローレフがこんなに美味しいビールだったとは驚かされる。
 なお、この日、神田店の滝沢店長は5時ごろ来て、トリプルを飲み、「輸入したのは俺なのに、1種類しか飲めないのかヨ〜」の旨、発言して帰ったとか。
Saison 1900 セゾン1900 樽生 (5.2% 30リットル)
8月15日(金)。この日は私一人。セゾン1900に切り替わっていた。フローレフ・トリプルは昨夜のうちに無くなり、セゾン1900はこの日開店時から繋いでいるという。これは30リットルの樽なので2〜3日は大丈夫そう。
 飲み比べるため瓶をキープしてあったが、この日は一人だったのでみんなが集合できる明日まで我慢。さっそくセゾン1900樽生を味わう。最初の1杯目。ほんのり酸味が漂う香味で、昔イメージしていたセゾンビールを思い出す。田舎らしさがある。アンバーといってもペールな色合い。麦芽の甘味も残りつつ、ホップの苦味もあってバランスがよい。以前飲んだドライの瓶は当然熱にやられていて、麦芽の甘味が強調され、焦げた感じがあったが、樽生は全く問題がない。きれいに透き通っていて、泡立ちもクリーミィ★★★★。
こういうビールは何杯でもおかわりができてしまう。
 樽2杯目。味わいに慣れてきたせいか、最初の1杯目に感じた酸味が全く感じられない。麦芽の甘味がハチミツのように感じられ、喉越しよく飲めてしまう。まるでリンゴジュース。2杯目は★★★★++++。
 セゾン1900と一緒に飲み比べたビールは、同じセゾンビールで、Saison Voisan セゾン・ヴォアザン(5% 33cl)。これはホップが効いていて苦味が強い。麦芽がわずかにローストされたような香ばしさと甘味がある。色はアンバーからペールだが、うすく濁る。酵母が入っている分、甘味に由来しないコクがあり、複雑感を出している。爽快であるがじっくりと味わってもよいビール★★★☆。 この日はここまで。
左から2番目が瓶のグラス
 翌8月16日(土)は、私(奉行)、与力、鴻巣同心が集まる。セゾン1900の樽と瓶の飲み比べの日である。まず最初に、Blanche de Bruxelles瓶(4.5% 33cl)、St.Feuillen Triple(7.5% 75cl)などを味わったあとセゾン1900樽生と瓶の飲み比べ。
 Saison 1900樽生は、昨日最初の1杯目に感じたのと同様に酸味をわずかに感じる。リンゴ的な香りがあり、甘味がハチミツ的でもある。フレッシュである。やはり★★★★++++。Saison 1900瓶(5.2% 33cl)hは、樽生とはかなり違った印象を受ける。明らかに瓶のほうが香りが高い。ほんのりローストした感じがあり、うすく濁る。さらに後半、瓶底の酵母をグラスにそそぐとかなり濁り、酵母臭がする。これはケルシュタイプに感じるほどである。★★★☆。瓶のオリを、樽生のグラスに入れると当然うすく濁るが、酵母の味の強さがビール全体を支配し、セゾン1900樽生の味のバランスを崩してしまった。なお、この瓶はちょうどお盆期間に1本しかなく、ブラッセルズ本社がお盆で休みに入ったため、仕入れることができないということで、特別に守屋副店長の好意でキープしていただいたもの。ありがとうございました。

 (奉行)「最近、ベルギービールの発音にこだわる風潮が強まってきたけど、このSaison1900は、みんな〔せぞん・せんきゅうひゃく〕と読むね。本当はどう読むんだろうネ。」-(与力)「〔セゾン・ミル・ヌフ・サン〕になると思うよ。」
 ※1900 = mille neuf cents/1000 mille (ミル)-9 neuf (ヌフ)-100 cent (サン)

 今回の樽生用のグラスは、イドロパットに各6個づつ来ているということで、我々3人でセゾン1900のグラスを4個も占有してしていた。しかし、雨続きで、お客が少ないせいか、その6客で回転できる程度の飲まれ方。この分だと日曜日も持つ可能性がでてきた。できれば、月曜に訪問したときにセゾン1900がまだ残っていて、それを飲み干したあとに、ブランシュ・ド・ブリュッセル樽生が飲めるというパターンが最高なのだが。

 このあと、Fantôme (8% 75cl)、St.Feuillien Brune(7.5% 75cl)、Abbaye des Rocs樽生Abbaye des Rocs瓶(9% 33cl)を飲み、この日は終了。
Blanche de Bruxelles 樽生 (4.5% 30リットル)
8月18日(月)。 夕方行くと、少し前まで与力がBlanche de Bruxelles 樽生を飲んでいたという。鴻巣同心と中澤さんが残っていた。
 セゾン1900は、昨日の日曜日はあまり出なかったということでこの日の12時前までは残っていたという。残念ながら夜には飲めなかった。昨日はベティさんが来て幸運にもセゾン1900を味わっていったという。
瓶(左)と樽生(右)
 さて、Blanche de Bruxelles 樽生と瓶の飲み比べ。Blanche de Bruxelles 樽生はハチミツやオレンジの香味を感じる軽快なビール★★★。これに対し、Blanche de Bruxelles 瓶(4.5% 33cl)は、よりはっきりしたオレンジピールやハチミツの甘い香りがする。樽生よりもよい強い発泡感があり、樽生よりもビールの味を強く濃くしたイメージ。樽も瓶も濁っているが、瓶底のオリを入れると最初あった鋭さが無くなり、まろやかに変貌していく★★★☆。
 このあとは、白ビールの飲み比べ。Les Artisans Braseurs Biere Blanche(5.5% 33cl)、Blanche de Brunehaut(5% 75cl)、Grisette Blanche樽生(20リットル)、Saison d'Epeautre(6% 75cl)を味わう。
 守屋副店長によると、今回のLefebvre醸造所の樽生ビールをすべて味わったのは、結局お客さんにはいなかったということで、私がフローレフ・ブロンド樽生を飲みそこない、エヌ柿さんがフローレフ・トリプル樽生を飲みそこなったのが一番だという。全部を味わったのは守屋さんだけという結果でした。
※今回の樽はサンプルということですが、これだけ好評なので、是非、継続して輸入して欲しいものです。(Lefebvreは、11月の船で入って来るって?)

【データ】 イドロパット Les Hydropathes
(渋谷区宇田川町 渋谷パルコパート1 B1F)
Tel:03-5456-9123
営業時間 10:00-26:00
※ランチタイム12:00-14:00
定休日 年中無休

http://www.brussels.co.jp/


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