ヒュー・ジョンソン・ファイン・ワイン・テイスティング及びビュッフェ・&ディナー
Hugh Johnson Fine Wine Tasting

主催: ジャーディン・ワインズ・アンド・スピリッツ(株)

日時: 平成8年11月19日(火)18時30分〜21時30分

会場: 東京会館ロイヤルルーム(12F)

会費: 9,000円

※奉行所から奉行・与力・ワイン部長他が参加。
Part 1 - Tasting with Hugh Jonson
●テイスティングワインリスト●
ワイン名 価格
1 Chassagne-Montrachet 1er Morgeot 1991 Domaine Ramonet 7000円
2 Corton-Charlemagne 1988 Domaine Bonneau du Martray 6000円
3 Volnay-Santenots-du-Milieu 1er 1991 Domaine des Contes Lafon 8800円
4 Ch.Langoa Barton 1990 St.Jukien 4500円
5 Ch. Le Gay 1988 Pomerol 4500円
6 Royal Tokaji Aszu 5 Puttonyos 1991 The Royal Tokaiji Wine Company 4500円
テイスティングの要旨

1 Chassagne-Montrachet 1er Morgeot 1991 Domaine Ramonet

 Chassagne-Montrachet は赤・白両方産出します。Morgeotの畑は、回りが赤ワインのピノ・ノワールが植えられている畑ですが、ここは白のシャルドネです。生産者のラモネはラモネの個性を失うからとして伝統的シャルドネは新樽を使用しません。ラモネのラベルは簡素な形でシンプルなデザインです。畑の酵母とセラーの酵母が混ざり合って特徴を出しています。
 まず、色ですが、白ワインについては、色はあまり意味を持ちません。香りは臭覚に訴えてきます。シャルドネはアロマチックではない品種です。シャルドネは他の果物でたとえる事が出来ません。シャルドネの香りはシャルドネです。
 ワインらしい正性格を持つため、ブドウのおかれた環境が現れます。
 味を表現するには、ワインは口の中に満遍なく行きわたらなければなりません。口中の前、上、後それぞれ違った味わい-多面的な味わいを見せてくれます。

2 Corton-Charlemagne 1988 Domaine Bonneau du Martray

 コルトンの丘でもペルナン・ベルジュレス側は石灰質の土壌です。ここには赤ではなく白のシャルドネが適しています。シャルルマーニュ(カール大帝)は、ひげが白かったので、赤いしみがつくのを嫌がり白ワインにしたという伝説もあります。
 さて、色は1番と変わり間s年。この2番は甘味のあり香りがします。土壌の石灰の含有量とフレーバーには相関関係があります。複雑でフルーツ、樫、年数を経た香りがします。新樽の香りは年月とともに消えて、今ハーモニーの一部となっています。 

 さて、アメリカの点数制による評価には疑問があります。それは香りと濃さで決まってしまうためです。ジョンソン流に表現するなら、

  1. ひと嗅ぎのワイン(もう二度とかぎたくない)
  2. 一口すするワイン(もう二度と飲みたくない)
  3. 2回目をすするワイン(1回目でわからないので2回目をすするがだめ。)
  4. グラス半分のワイン(好きかも知れないが、でも半分以上飲めないワイン)
  5. 1杯でいいワイン
  6. 3杯(喉がかわいていたか、本当に好きかどちらか)
  7. 1本(素晴らしい)
  8. 2本
  9. 12本(1ケース)(人にもあげたいワイン)
  10. 究極はすべての畑を買いたいワイン

となります。フランス人はまず2本飲んでもらうワイン作りをしています。

3 Volnay-Santenots-du-Milieu 1er 1991 Domaine des Contes Lafon

 Volnayはムルソーの隣の村です。Santenotsの畑は白はムルソーになり、赤はヴォルネイのAOCとなります。ヴォルネイは昔はボジョレーみたいな飲み方をされていました。
 ピノ・ノワールはハイピッチで香りが立ち上ってきます。色は深いピンク色で若い色です。長時間耐えるように新樽を使っていますが、飲むときに感じないように作られています。
 口に含んでもアロマううを感じます。口の中に広がってアロマガがへばりつくようです。ワインを作る時、一緒に合わせる料理を念頭においてワインが造られています。
 このワインからはエネルギーが沸いてきます。さわやかで魅力があります。2本目を飲みたいワインです。

4 Ch.Langoa Barton 1990 St.Jukien

 このシャトーは、1855年のメドックの格付け以来、所有者のファミリーが変わっていません。所有者はアイルランド人のバートン家です。ボルドーは、カベルネ・ソービニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、プチ・ヴェルドが主要なブドウ品種ですが、どの種類を植えるかは、土壌は何かで決まります。メドックではカベルネ・ソービニヨンが主体で、同じ所有者のCh.ランゴア・バルトンはほとんどがカベルネです。
 このワインの色はストロングカラーでパワフルです。1990年はよいヴィンテージで、完全な成熟が得られ天候にも恵まれました。ブドウの皮が厚く、その皮から色が出ています。
 ブラック・カラントのような甘味、それも完全に熟した甘味があります。悪いヴィンテージは赤コショウの味がします。美味しいので、早く飲みきってしまいそうになりますが、そうするとあとで出てくる何かを見ないで終わってしまうことになります。
 わかいボルドーはシンプルでフルーティーですが、狩猟の肉と同じで、すぐ食べても美味いですが、熟成させるともっと美味しくなります。

5 Ch. Le Gay 1988 Pomerol

 4番よりわずかに薄い色をしています。一ひねりした複雑な香りがしますがこの香りをフランス語で「レグリス」といいます。凝縮されたレーズンの香り、するどい、丸みでなくスリムなブルゴーニュのような感じです。
 今、愛らしい飲みごろですが、将来性も十分です。

6 Royal Tokaji Aszu 5 Puttonyos 1991 The Royal Tokaiji Wine Company

 Royal Tokajiの会社は、1979年に設立されました。トカイルネッサンスということで、45年間の共産政権に押さえ込まれたトカイの再生に私が携わったワインです。貴腐は、遅い収穫により得られ、Ch.ディケムのようになります。貴腐を新酒に混ぜる単位がPuttonyosで、1プットから5プットまであります。
 ワインのアロマは、他には見られない非常に凝縮されたものです。乾燥したフルーツ、例えばアプリコットの香りがします。クリーミィさも感じられますが、これはボトリチス菌によるもnです。樫樽の、タバコの香りがします。ジンジャー、ペッパーの刺激的な香りもあります。
 味は高い糖分と高い酸味があります。酸味が広がる力を持っていて、口中に広がる力があります。初めて作ったのは1990年で、もう飲み尽くしてしましました。1991年はまだ5年しか経っていません。

 1700年にはトカイには格付けがあり、1級から3級までブルゴーニュよりも詳しく格付けされていました。畑の違いが共産政府により無視され、低温殺菌あれ、混ぜられました。今、畑ごとに、それぞれの畑のブドウを分け、個性の発見をしようと努めています。

Part2 - Buffe Dinner

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