ヒュー・ジョンソン・ファイン・ワイン・テイスティング
及びビュッフェ・&ディナー

主催: ジャーディン・ワインズ・アンド・スピリッツ(株)

日時: 平成7年11月8日(火)18時30分〜21時30分

会場: ホテルオークラ別館「春日の間」「若草の間」

会費: 9,000円

※奉行所から奉行・与力が参加。
Part 1 - Tasting with Hugh Jonson
●テイスティングワインリスト●
ワイン名
1 Damaine Laroche Chablis Les Fourchaumes 1993
2 Sonoma Cutrer Chardonnay Les Pierres 1992
3 Daomaine Jesn-Marc Boillot Meursault 1992
4 Gaja Barbaresco 1989
5 Banfi Poggio all'Oro Brunello di Montalcino 1988
6 Ch.La Grave Trigant de Boisse 1986
7 Ch.Langona Barton 1989
8 Dominus 1988
テイスティングの要旨

1 Damaine Laroche Chablis Les Fourchaumes 1993

 シャブリの1級畑フルショーム畑のワインです。このワインは、熟成が進むワインなので、まだ、若いです。4〜5年先にフレーバーが咲き誇ると思います。
 外観は、青色ですが、そうあるべき色をしています。香りには、シャルドネの形を確認できます。樽の香りがありません。あまり樽に入っている期間が長くなかったといえます。シャブリの形である香りの元は、シャブリの土壌・テロワール・粘土質の土、石、土のすべてが確認できます。
 味を見る時には、パンや肉をかむようにワインを口の中でまわして下さい。舌の下にワインを入れて、アロマの凝縮された香りをわかるようにします。少し口を開けて空気を吸い込みます。
 味には、厳しさとふくよかさがあります。これがシャブリです。
 シャブリに合う料理としては、オイスターです。

2 Sonoma Cutrer Chardonnay Les Pierres 1992

 このCutrerは、シャルドネのワイナリーです。’Les Pierres’は、畑の名で、石状の土壌の意味です。シャルドネでも一番よいワインです。シャブリより、ブドウの熟した感じがします。これは、シャブリとカリフォルニアの気候の差です。カリフォルニアの良さは、正しい土壌があれば、熟するということです。
 熟したシャルドネは、土壌やテロワールを感じません。フレンチオークの香りが充実していますが、カリフォルニアではほとんどそうです。トーストされた、又は、コーヒーのような香りがしますが、これは、樽を作る時、板を曲げる時の焦げた香りで、キャラメル色になります。
 味は、フルーツの味と酸味と樽の香りが戯れあってよいバランスを作っています。
 非常に若いので、3〜4年でオークが落ち着き、よくなってくるでしょう。個人的にはよいワイインで、好きなワインです。

 テイスティングの名言として、「どのワインにも悪いワインはない。なぜなら、ワインは他のワインと飲まれるべきではなく、ワインは料理とともに味わわれるべきものだからだ」

3 Daomaine Jesn-Marc Boillot Meursault 1992

 色は少し濃い目です。1992年は過熟したブドウを摘んだためだと思います。新しいです。
香りは、いろいろなものが非常に微妙な形で左右しています。1番と2番のワインの真中にあります。
味は、ナッツ味と甘味があります。これはムルソーの特徴です。本当に美味しいです。
料理は、舌平目のムニエルが合います。

4 Gaja Barbaresco 1989

 アンジェロ・ガイヤは、ピエモンテでバローロとバルバレスコを作っています。これはネッビオーロ種からつくりますが、ネビオとは霧の意味で、10月から11月に霧が出ます。
 色は濃くはなく、クリアーです。ややレンガ色か茶色に傾いています。ネッビオーロはもともと濃い色はもっていません。赤ワインは若いときは紫や青みがかかります。それが、赤→茶→マホガニー色に変化していきます。
 香りは非常に独自なタイトな香りです。非常に酸味のあるベリーを思い出します。野生のすももの香り、酸味強く、甘味のある果実のようです。
 味は、タンニンの渋みで口元がすぼむような感じです。少しフルーツの豊かさを感じます。非常に食欲がわき、口をきれいにしてくれるので、リッチなこってりした料理が合います。料理としては白トリュフが合います。

5 Banfi Poggio all'Oro Brunello di Montalcino 1988

 このPoggio all'Oroは、畑の名前です。ブルネッロ種は、サンジョベーゼ種のクローンで、粒が大きくて甘いブドウです。
 色は非常に成熟した健全な赤です。香りはさきほどの4番はチャレンジ的でしたが、こちらは、あたたかく迎え入れてくれるという感じです。寒いときに通りで売っている栗の香りがします。
 味は、最初良くて、次に少し甘くなってくる。終わりも非常によいです。シンプルではなくて非常に一貫したワインです。

 赤ワインは、最初の印象、次に口の中での印象、そして余韻の順番で味を見ます。例えば最初と最後が非常に良くても、途中、口の中で印象が弱いワインがあります。
 赤ワインを、1.甘くジューシー、果実の喜びがあるか。2.骨格がしっかりしているか。の2つのバランスがどうかが赤ワインの味質を決めるのです。

6 Ch.La Grave Trigant de Boisse 1986

 このGraveとは小石のことです。このワインはJ.P.ムエックスのものです。ポムロールはほとんど粘土状なのですが、こおは小石です。
注がれたときに、色が濃いとわかります。ブルゴーニュはカベルネ・メルロのような色にはなりません。ボルドーは色が濃いのです。
 香りは、メルロの香りがします。赤いプラムの香りで、クリーミーな味、非常に豊かな香りがします。
 口の中での展開が素晴らしいです。だんだん広がっていきます。タンニンが口の中でしっかりと捕らえられています。ちょうど飲みごろです。

7 Ch.Langona Barton 1989

 Bartonという名は、イギリスのアイルランド系です。
 ワインの色調を見るときは、白い紙の上の書いてある文字が読めるかどうかです。このワインは、よく見えないほど濃いです。若いブドウがまだ開ききっていないこれからのワインです。これからどうなっていくのかが見えないとだめです。非常に食欲をそそる独自なメドックの味になります。神様が肉料理に合う食べ物を考えたとすれば、それはこのワインです。口の中をキレイにしてくれます。

8 Dominus 1988

 Dominusはマスターの意です。クリスチャン・ムエックスが12年前から生産しているワインで、カベルネ100%です。
 色はカベルネ種の色で、まだ、熟成していません。非常に初期の香りで、潜在性はあるがまだ、開花していません。将来は非常に充実した満足できる香りになろと思います。
 味は途中ではまだ開いていません。フィニッシュには複雑な甘味と酸とタンニンが混ざり合った味になりました。

Part2 - Buffe Dinner

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