第4回ベルギー王国ビール探訪記(14)

6日目(1)
1.ブリュッセル市内散策
2.ベル・ヴュー醸造所 Brasserie Belle-Vue
3.ドゥ・ラール・ヴォス De Rare Vos

ブリュッセル市内散策

 本日は、ランビックの日。ペヨッテンランド方面に行って、ランビック三昧の日である。出発はお昼前なので、それまでの間、各自自由行動である。私は、おみやげは、いつもヴィタメールで買う。ホテルからグラン・サブロン広場まで歩いて20分くらい。ちょっと遠いが、市内の雰囲気を感じならが店に向かう。今年は2000年のミレニアム。かざりも2000年を祝う華やかなものになっていた。

【データ】 Wittamer本店(Place du Grand Sablon,12-13,Grote Zavel-B-1000 Bruxelles)
TEL:32-2-512-3742

通りを歩いていると、ついつい目に入るのは、ビール関連のスポットである。ついついシャッターを切ってしまう。人形劇場でもあるトゥーネToone も、ちょっと変わった魅力的なカフェということだが、まだ入ったことがないのでいつか訪れたいものである。

ベル・ヴュー醸造所 Brasserie Belle Vue

11時に、ホテル・ロビーに集合。車で昼食に向かう。ブリュッセル市内の運河沿いの道を走っていると、運河の向かい側に、ベル・ビューの醸造所が見えてきた。ベル・ビューの2つある醸造所のうちの1つ、モレンベークの醸造所である。ここもカンティヨン醸造所同様、本当に市内の中心みたいな場所である。こんなところでも野生酵母が生きていて、ランビック・ビールが醸造できるとは不思議なものである。運河がそばにあることが、酵母に影響を与えていそうである。ブリュッセルの中心からでも歩いて行けそうな距離にあるので、いずれ訪問してみたいものである。「セレクシオン・ランビック」という甘味を付けていないランビックはこの醸造所の見学コースで飲めるらしい。

【データ】 Brasserie Belle Vue(Rue Delaunoy 58-60, 1080 St-Jans-Molenbeek)

ドゥ・ラール・ボス  De Rare Vos

お昼の目的地、スヘプダールSchepdaalに着く。町の中心のマルクト広場が駐車場になっていて、車を止める。
 ちょうどそこに、郵便配達のおじさんがいたので、レストランの場所を山田さんが尋ねる。「向こうにある」ということで、場所を教えてもらう。「今回の旅では随分、郵便配達のおじさんにお世話になった。」「それにしてもいいかげんな郵便配達人もいたね」などと皆で話しながら、店に向かう。 

店の名「ラール・ヴォス Rare Vos」とは、「年を取っているキツネ」の意である。日本流なら那須の「九尾のキツネ」みたいなものであろうか。店に入ると、バー・カウンターがあるカフェの造りであるが、我々はその奥にある100人ほど入れるパーティ・ルームに通された。
 ラル・ヴォスは、マイケル・ジャクソンも来店し、高い評価を与えている店で、ランビックビールをいい状態で提供することで定評があり、店主とマイケル・ジャクソンが並んで写っている写真も飾られていた。

昼食は、お昼のランチ。いくつかのコースがあったようで、食材の見本としてお皿に乗せた「ニシン」を見せに来た。ニシン料理がお薦めということなのだろう。しかし、全員同じ物ということで、ステーキ系のランチに決めた。内容は、Tボーンステーキ、ブーダン白ソーセージ、ブーダン黒ソーセージ、ベーコン、ラムチップ、ポテト、キャベツといったボリュームがあるもの。それに、パンと自家製ラードがついてくる。自家製ラードには、なにか調味料が練りこんであり、一同の興味をひいた。

ビールはジラルダンの樽生があるとうことで、さっそく1リットル単位で注文する。陶器のピッチャーに入って来たものを、みんなで分ける。ここで味わったビールは、3種類。

ビールの中身について、あとで、確認のために、バー・カウンターに行ってみたが、クリークとオールド・ランビックがサーバーにつながっていた。オールド・ランビックは、6ヶ月以上たったものという話。

食事がある程度済んだとき、広島から参加した浜田さんが一言いいだした。「ニシンはまだか?」。山田さんがニシンは頼んでいないことを言うと「わしゃ、ニシンが食べたかったんじゃ〜」。ニシンを見たので、当然出てくると思っていたらしく、急遽、ニシン料理を1皿だけ注文して、浜田さんの希望に応えることにした。ニシン料理もベルギーの代表的な料理の一つなのである。

食後、マイケル・ジャクソンが『このカフェは、とてもいい貯蔵室を備え、・・・』と書いている店の地下貯蔵庫を見せていただいた。階段を降りると、白壁の部屋の中に、ワインケースが一杯並んでいる。その一番奥に、樽が4樽ほど並んでいた。このラル・ヴォスのある地域もペヨッテンランドの一部である。昔は、この店の地下貯蔵庫でも、自家製ランビックを造っていたのだという。樽は昔ランビックビールを熟成させていた時使用していたものだという。あとで見つけたが、ブレンダーを行っていた頃の写真が、カフェ内に飾ってあった。また、なんと、最後の自家製ランビックがほんの少しだけ保存してあり、埃をかぶっていた。25年前のランビックだという。「これは売れません。」。ランビックビールの歴史を垣間見たようである。

もう一つ貯蔵庫があって、そこに瓶ビールが保管してあるようだ。


現在、樽が昔の面影を残している。

ランビックの25年もの。非売品。

昔の写真

昔の写真(クリークも造っていた)

お腹が一杯になり、また、美味しいビールもいただいて満足。水元さんが、持参していたホッカイロを女将さんに差し上げると大喜びで、お返しとして、ジラルダンのグーズ黒ラベル750mlをもらうなどのやりとりもあり、十分ビールを楽しんだあと、我々は、ラール・ヴォスをあとにした。

【データ】 De Rare Vos (22 Marktplaats) Tel:02 569 2086

(つづく)


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