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4日目(2) |
1.ドメイン ブレイヴェルデ Domein Breivelde |
2.クロンベ醸造所 Brouwerij Crombé |
3.シント・ヨリスホフ St.Jorishof |
4.アゴラ Agora |
Domein Breivelde | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ゾッテヘムZottegemの町まではそんなに遠くはない。お昼時になったので、適当なレストランを探しながら山田さんは車を運転する。
それらしいものが見つかり、車は停車。そこには立派な門があり、レストランとの表示がある。「とりあえず行ってみましょう。」ということで、門をくぐる。中に入ると広い英国風庭園である。池があり白鳥が泳ぐ。湖畔には立派なお城。このお城のある公園は、植物園にもなっているゾッテヘムの町の公園で、お城の館は1890年ころ建てられたものらしい。
人の気配も感じられず、ちょっと異空間に迷い込んだようである。お城へ向かう。城の中にレストランはあるようだが。扉を開ける。「レストランはやっているようですよ。」
席に案内されて、メニューをいただく。メニューはオランダ語で書かれており、よくわからない。メニューがわからない人は山田さんにお任せである。私は「Kip」が鶏と知っていたので、「Kippefilee」を注文する。
ビールは、地元のビールであるクロンベ醸造所のものが、メニューに「Zottegemse Streekbieren(ゾッテヘムの地ビール)」と書かれ、一通り揃っているが、これからその醸造所に向かうので、皆、別のビールを注文することにした。クロンベ醸造所のビール以外には、近くの都市であるアウデナーデOudenaardeにあるロマン醸造所のビールが多い。「Pils」と書かれたビールは、「Romy Pils」。「Mater Witbier」、「Ename」、「Special Roman」、「Sloeber」もみなロマン醸造所のもの。地ビールがちゃんと地元で飲まれ、定着しているベルギーが羨ましい。日本の地ビール頑張れという気がしてくる。
ベルギーの多彩なメニューを見て、ビールの注文に戸惑っていると、どうなるか。それは、「とりあえず白ビールにでもしましょうか。」ということになる。日本なら「とりあえずビール」と注文するところであろう。ベルギーには「とりあえず白ビール!」という注文の仕方は無いが、日本人は「とりあえず」が体質的に身についてしまっているかのようである。「とりあえず白ビールにでもしましょうか。」の声に異論が出ることも無い。そこで、ロマン醸造所の「Mater Witbier」を全員で注文する。この白ビールは香り高く、なかなかいける。今まで、薄くて味わい不足の白ビールが意外と多かったので、久しぶりに旨い白ビールに出会った気がする。一同このビールの出来に感心★★★。なお、ビール名のMATER(マテル)は、醸造所がある村の名前。
その後、注文した料理も出てきて食事。お城で食事なんてなかなか出来るものではなく、優雅な昼食に満足。ビールも進み2杯目のビールをそれぞれ注文する。味わったビールは以下の通り。
食事が終わって、店員さんに先ほどのビールの瓶をちょっと見せて欲しいと頼むと、カゴから捨てた瓶を拾い出し、カウンターに並べてくれた。しかし、あれあれ、さっき樽生のつもりで飲んだビールの瓶まで出てきてしまった。いったいどっちだったのだろうと疑問が残った。
ちょっとだけ湖畔を散策してから、目的地であるクロンベ醸造所に再び向かった。
Mater Witbier | Kippefilee | |
Ename TripelとDubbel | Romy Pils |
【データ】 | Domein Breivelde |
http://www.zottegem.be/toerisme/engels/breiveld.htm |
我々の乗った車が線路を越えてゾッテヘム(Zottegem)の町に入る。小さな町だが、醸造所があるHospitaalstraat(ホスピタル通り)を見つけるのはなかなか困難。一方通行の道があったりで、思うように街中を走れない。我々は高い煙突を醸造所の目標として、探し彷徨うことになる。町をほぼ2周したところでホスピタル通りを見つけたのは、山田さんの感が冴えていたからであろう。ここまで同行していた清水夫妻は、ゾッテヘムの駅でお別れである。
車は、町の中心のマルクト広場に止め、ホスピタル通りをちょっと進むと、すぐにクロンベ醸造所は見つかった。門をくぐると奥に醸造所があり、右側にオフィスがあった。アポなしだったので、醸造所見学はさせてもらえなかった。ここは、1798年創業の小さな家族経営の醸造所である。
この醸造所の特徴は、昔ながらの手造りのビールで、やや酸味があるのを特徴としている。ランビックのメーカーではないのであるが、Oud Kriekenbierというリーフマン・クリークのようなチェリービールも造っている。しかし、一番有名なのはOud Zottegems Bierである。他にエグモントEgmontやセザルケンCezarkenといったビールがある。
醸造所の建物の最上階には開放式の醸造槽があり、空気に触れて冷却されているようだ。その際、野生酵母の侵入もあって、やや酸味を帯びたブラウン・ビールが出来上がる。
この醸造所は、不定期な醸造を繰り返しているようで、閉鎖したとの情報もあるが、2002年3月現在、ベルギー醸造者連盟の加盟メンバーとしてリストに残っているから、醸造をやめたわけではないのだろう。
醸造所の見学はできなかったが、醸造所の門の左側には、醸造所直営のカフェがあるので、そこへ足を向けた。店の名前は「ブルワーズハイス」、醸造者の家という意味である。扉を開けて一同中へ入る。バーカウンターや暖炉にレンガが使用されており、昔のフランドル調の造りである。店にはおばさんが1人いたが、我々が席に着く前に、店はやっていないと言う。なぜかよくわからない。すぐ近くのクロンベ醸造所のビールが飲める店を紹介してくれたので、我々は店を出た。
60年間カフェを暖め続けているという ストーブ |
【データ】 | Brouwerij Crombé(10 Hospitaalstraat, 9620 Zottezem) | |
Brouwershuis(8 Hospitaalstraat, 9620 Zottezem) | ||
グローテ・マルクト |
ゾッテヘムの街の中心のグローテ・マルクトには教会があり、ベートーヴェンの管弦楽曲「エグモント序曲」のモデルになったエグモント伯のお墓がある。広場にはエグモント伯の銅像もある。エグモント伯は、16世紀スペイン支配下にあったベルギーを圧政から救おうとした郷土の英雄である。不幸にして捕らえられ、ブリュッセルのグランプラスで処刑された。
この広場に面して、クロンベ醸造所のビールが飲めるというSt.Jorishofというカフェがある。といってもクロンベ醸造所の隣みたいなものである。ここでは、以下のビールを注文したが、最初、ビールが注がれたグラスのみ持ってきて瓶を持って来なかったので、瓶を持ってくよう注文した。Oud Zottegemsは5本頼んだが、なぜか瓶は4本分。1本33clで、グラスに注がれた量を考えると、どうも4本の瓶で5杯のグラスに注いだとしか思えない。意外にインチキな店である。出てきたままの状態では、ビールは澄んでいてきれいだが味わいがあまりないビールに思えたが、瓶のおりを入れた途端、凄く濁ってとてもおいしいビールに生まれ変わった。Tim Webの本では、星が4つも付いていて、だからこそわざわざ来たのにがっかりと感じていた我々だが、おりを入れることによって、再度評価が変わった。
AGORA | Liefmans Oud Bruin 5% 25cl 60bf。 |
ゾッテヘムの町を後にして、我々が次に向かったのは、ブラウンビールのふるさと、アウデナードOodenaardeである。アウデナードと言えば、我々はすぐにリーフマンLiefmansを連想する。車で向かう途中、左側を流れる川縁にあるリーフマン醸造所を横目で見ながら、アウデナードの町の中心に入った。
まずは、アウデナードの中心のマルクト広場に向かい、リーフマンを飲める店を探すが、これが意外と見つからない。この町の地ビールとして勢力があるのは、ロマン醸造所とクラリス醸造所(フェリックス銘柄)である。この2つの醸造所の銘柄のどちらかがアウデナードのビア・カフェの看板に付いている。しかし、リーフマンの看板だけはどうしても見当たらない。不思議な状況に驚きながら、やっと探し当てたのがアゴラAGORAというビアカフェである。
店に入ると、全員リーフマンを注文する。リーフマンといっても日本に輸入されているグーデンバンドではなく、リーフマン・アウト・ブルインLiefmans Oud Bruinである。メニューにはLiefmans Old Brown Aleと書いてあった。やわらかい酸味とフレッシュさが特徴でおししい。★★★☆。こうしたブラウン・ビールの典型的なものが日本に輸入されるようになって欲しいものである。
アウデナードでは、kの1杯だけを飲んで町をあとにした。もう辺りは真っ暗で、山田さんが運転する車はブリュッセルに向かう。途中、闇の中でライトアップされているロマン醸造所を右手に見つけた。
この日の夕食は無し。ホテルに戻って少し休む。先にゾッテヘムから帰ってきていた清水夫妻と、ホテルの部屋で酒盛りを計画。なんと清水夫妻の部屋は、シャラトンホテルのスイートだった。奉行・与力・代官・清水夫妻の5人で、昼間購入したビールを開ける。
上記のビールを飲んで、これまで飲んだビールの種類は、72種類を記録したことになる。
(つづく)
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