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特徴
ブリュッセルのビール醸造博物館の資料によると、ベルギーには 1993年現在で106のビール工場がある。銘柄で 400種類以上だが、同一銘柄でも複数の種類が存在したり、瓶の中身が一緒でもスーパーマーケット用の別ラベルがあったりするので、実際には 1,000種類以上のビールが商品として市販されている。そして、これらのビールは、研究者によって大きく分類方法が異なるほど多種多様な個性的な ビールとなっている。*1
*1 ビール評論家マイケル・ジャクソン氏は、 ベルギービールを ランビック・ビール、ホワイト・ビール、 ブラウン・ビール、 レッド・ビール、セゾン・ビール、ベルギー・エール、 トラピスト・ビール、修道院(アビイ)ビール、ゴールデン・エール、その他の「地ビール」、スパイス・ビール、 ピルスナーの12のタイプに分類している。
個性的になる理由は、醸造所ごとに使用するホップや麦芽の種類が異なったり、大麦の他に小麦や他の麦を加えたり、
多種類の麦芽を混ぜ合わせたり、あるいは酵母が異なったり、酵母を自然(野性酵母)に任せたり、瓶内二次醗酵させたり、コリ
アンダーやクミン、アニス、オレンジの皮などのスパイスを加えたりするなどその製法が非常に様々であるからである。厳密に
は同じビールでも製造のロットごとに味わいが異なるし、さらにはボトルごとに味わいが微妙に異なっている。
個性的なビールが多いというベルギーにおいても、一番生産量の多いビールはピルスナータイプのビールである。ルーヴ
ェン市には、ヨーロッパ第2の規模のインターブルー社の工場があって、ピルスナータイプの代表銘柄、ステラ・アルトワ
STELLA ARTOISを製造している。その他にもジュピラーJUPILER、マース
MAES、プリムスPRIMUSなど各社多数の銘柄があり、生産の約70%がピルスナータイプとなっている。ただ、このタイプのビールは、年々生産比率が減少しており、
上面発酵ビールのベルギーエールや修道院(ABBAYE)ビール、地ビールの生産量が
増加傾向にある。地ビールはベルギーでもSTREEKBIEREN(地ビール)と呼ばれ、ピルスナータイプのビールにはない個性的な味わいに
再び人気が出てきているという。ただし、ベルギーでのみ生産が可能な酸味を特徴とした最も個性的なビールであるランビック
ビールに限ると、残念ながら年々生産量が減少している。
数軒のスーパーマーケットの酒売場を覗いてみたが、どの店にも各タイプのビールを置いており、品揃えが充実していた。
6本箱入りのものや、ビール4本にオリジナルグラスをセットにしたものなどもある。とにかく日本に輸入されていないビー
ルが多数あって興味深かったので、珍しいビールを購入しては、夜ごとホテルの部屋で味わった。また、ノンアルコールビー
ルや低アルコールビールにも多数の種類があった。
◇ベルギービールのタイプ別生産率の推移◇
Pourcentage de vente par rapport au total-D'apres le type de biere(輸出含む)
タイプ | Pils | Trappiste | Geuze Acide | Special | Abbaye | Biere de table | Sans alcool |
1985 | 77.24 % | 1.84 % | 4.13 % | 9.70 % | 1.27 % | 5.82 % | - |
1990 | 73.70 % | 2.10 % | 3.53 % | 12.31 % | 2.67 % | 3.82 % | 1.87 % |
1991 | 71.99 % | 2.27 % | 3.11 % | 13.96 % | 2.98 % | 3.70 % | 1.99 % |
1992 | 71.12 % | 2.19 % | 2.98 % | 15.19 % | 3.51 % | 3.36 % | 1.65 % |
1993 | 70.90 % | 2.16 % | 2.88 % | 15.75 % | 3.71 % | 3.12 % | 1.48 % |
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