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イレギュラーなビール
印刷漏れ(2)
Hercule
(8.4% 33cl)
Brasserie Ellezelloise
http://www.brasserie-ellezelloise.be/
現在(株)徳岡のWine-Netで購入できる「Hercule」である。ラベルには「Hercule」とあるが、輸入業者は、ビール商品名をなんとなくローマ字読みで「ヘルキューレ」として販売している。河内屋で最初に輸入したときも「ヘルキューレ」の名で販売されていたので、そのまま使用しているのであろう。
 2本の瓶が写った左の写真を見て欲しい。1本の瓶の印刷が1色抜けている。拡大したのが右の写真である。ビール名の「Hercule」と人物の顔にある髭が抜け落ちてしまった。
 「Hercule」は、フランス語でエルキュールと発音する。ギリシャ語では「ヘラクレス」の意であり、古代ギリシャの神の名でもある。
 このラベルに描かれた人物は、では古代ギリシャの神「ヘラクレス」であろうか?ちょっと違うようである。醸造所のホームページには答えはないが、この顔は、Hercule Poirotエルキュール・ポワロだという。エルキュール・ポワロは、「オリエント急行の殺人」などで有名なミステリーの女王アガサ・クリスティーが生み出した、ホームズと並ぶ世界的に有名な名探偵である。
 設定によると、ポワロはベルギー生まれで、もとは母国ベルギーのブリュッセル警察の捜査員として大いに活躍し、退職後第一次大戦が勃発し、その戦火を逃れてイギリスに亡命。亡命の後はエセックス州の小さな村にあるスタイルズ荘の女主人から援助を受けていたが、そこでベルギー時代に知り合ったモナミ(Mon Ami)こと親友のアーサー・ヘイスティングズ大尉(当時は中尉)と再会を果たす。そしてその直後、彼が援助を受けていた女主人の家であるスタイルズ荘で起った変死事件の捜査を依頼され、イギリスでもその灰色の脳細胞が活動を開始する。身長162.5センチの小柄な体に卵型の頭とワックスで固めた「カイゼルひげ」と呼ばれる両端がはね上がった八の字型の口ひげがトレードマークで、潔癖症といえるくらいのきれい好きで、大変なおしゃれ。そして女性に対しては常に紳士的な態度でのぞむ好人物ということになっている。
 ラベルに描かれているのは、ワックスで固めた「カイゼルひげ」と呼ばれる両端がはね上がった八の字型の口ひげの男。まさしくエルキュール・ポワロであろう。その口ひげ部分が印刷漏れなので、なんとも情けない顔立ちのラベルになってしまった。
 なお、ビール名は、フランス語(ワロン語)の「エルキュール」と訂正してもらいたいものである。
 ※このラベルは、新宿フリゴで取り寄せたケースの中に1本混ざっていたということで、見せていただきいました。見たい方は、新宿フリゴへどうぞ!

【データ】 新宿フリゴ (渋谷区代々木2-11-20 新宿島津ビルB1F )
TEL:03-5371-0666
月〜土曜日 17:30 - 26:00 日・祝日 15:00 - 23:00/毎月第二日曜日定休
http://www.eurobeer.net/frigo/

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