金沢・加賀・能登の酒 きき酒会 2000

主催:石川県酒造組合連合会

日時:平成12年9月13日(水)
    午前11:00〜午後4時
会場:国際貿易センタービル38F
    フォンテーヌの間
会費:無料

※奉行所から奉行、代官、同心、村松
の4名参加
出展の蔵元(26蔵)

長生舞・関白・加賀鳶・加賀雪梅・手取川正宗・
常きげん・菊姫・神泉・能登誉・加賀鶴・獅子の里・
天狗舞・奥能登の白菊・弁慶・高砂・金瓢白駒・
萬歳楽・竹葉・能登末廣・金冠大江山・大日盛・
御所泉・朱鷺の里・無醸・谷泉・宗玄
 もともと、旨い酒を造る県として定評のある石川県の酒であるが、昨年に続き、さらなる酒質の向上が感じられた。
 菊姫天狗舞といった日本酒を代表する銘柄は、古典的な味わいでその存在感をアピールしていた。
 昨年以来、菊姫から能登杜氏四天王の農口尚彦杜氏を迎え、大きく味を変えた常きげんは、今年も人気が殺到していた。同じく昨年から能登誉から移動してきた坂口幸夫杜氏が醸す宗玄は、今年も素晴らしい出来栄え。もともと能登誉は全国新酒鑑評会ではよく金賞を受賞していた蔵。杜氏が変わっても、味わいある酒には変わりがない。
 弁慶は、今年は今まで以上のまろやかさとコクで1ランクアップした味わい。竹葉は、毎年度味わいに波があったが、今年は純米・純米吟醸など、アルコール度数が15.5%前後にもかかわらず、コクがあり濃い味わいに変化して好感。
 金冠大江山は、純米酒と純米吟醸、吟醸酒と大吟醸の酒質の表示が同じなので、質問してみた。純米酒と純米吟醸は山田錦と五百万石50%、吟醸酒と大吟醸は山田錦40%で、度数を除くと酒度・酸度とも同じである。同じ米・精米歩合でも造っている途中で、気に入らない出来のものが出来るそうである。それに加水してランクを落とし、安い価格で発売するという。「みなさん、この味なら取っておいて、大吟醸として売ればいいじゃないですかと言っていかれますが、経営というのがありまして、在庫を抱えても困るし、売ってそのお金でまた次の年の酒を仕込まなければなりません。」とのこと。フランスのシャトーでのセカンドワインみたいな話である。金冠大江山の純米酒(1.8リットル2427円)と吟醸酒(1.8リットル3883円)は非常にお買い得な酒である。
 御所泉は変わった酒だが、私を含めファンが多い。源酒は山田錦と五百万石60%、吟醸は山田錦と五百万石55%だが、蔵の平均精米歩合は58%。普通2日に1本仕込むところを4日に1本の仕込みとし、自然な発酵を完全に行っている。低温発酵でもろみ日数を長く取っているという。200石の小さな蔵でほとんど地元で消費されている。酒質を越えた味わいがその魅力である。

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