酒蔵奉行所
一人で飲むのが怖いビール特集
日時:2006年7月8日(土)
    
場所:酒蔵奉行所・川崎代官所

参加者:奉行、与力、鴻巣同心、川崎代官、八州回り、食品技術部長、中澤、桐生(8名)
 奉行所の面々はそれぞれベルギービールを所有しているが、一人で飲むのはもったいないと思っているうち、飲むのを忘れて古くなって、一人で飲むのが怖いビールになった?という物を保持している。
 本会の当初のタイトルは「一人で飲むのが怖いビール特集」であったが、いざ味わってみると熟成して美味しいとの声が連発。「このビール懐かしい〜」との声もでる。
 メインはシメイ・ブルー6ヴィンテージ飲み比べ。それぞれ美味しい順に順位を付ける。順位の合計が少ない方が、最終的に皆の中での高順位のビールとなる。
味わったビール
1.Gueuze Girardin 1882 (Black)(5.0% 750ml) Br.Girardin 輸入:ヴィナイオータ
  最初のビールはジラルダン・グーズ黒ラベル。2005年12月に大月酒店が輸入しているが、これはそれ以前のヴィナイオータが輸入したもの。
 酸味も十分で、ホップの苦味とのバランスが調和し、本格的グーズの味わい。
 全然問題なし。まだ、持っている人はこれからも熟成するでしょうから大事に保管してください。
2. Mont Saint-Aubert Biologique (6.5% 750ml) Br.de Brunehaut  輸入:ブラッセルズ
  賞味期限2002年3月。トーシンブラッセルズ輸入のビール。通常のMont Saint-Aubertモン・サン・ベールはAlc.8.0%なのに対し、このバイオロジーク.は6.5%。現在輸入されていないというか製造されていない。熟成した香りと味わい。度数が低いのでいる死んでいるとかと思ったが、ホップの苦味が活きていて美味しさのバランスを保っている。澱が大分ある。意外にも元気なビールで皆驚いた。
3. Saison Dupont I (6.5% 750ml) Br.Dupont 輸入:大月酒店
  コルクに2002年製造とある、賞味期限2007年6月、旧ラベルのものだが、ブラッセルズ輸入ではなく大月酒店輸入の物。泡立ちよし。バナナのような香りがあり、香り高い。香りもフルーティだが味わいもフルーティ。スムーズな飲み口にはなっているが、老ねた熟成感がなく驚く。素晴らしい味わい。デュポンの旧ラベルのビールを持っている人は、まだまだ安心です。
4. Saison d'Erpe Mere (6.9% 750ml) Br.Glazen Toren 輸入:大月酒店
  2005年10月22日ボトリング。賞味期限はボトリングから2年とある。大月酒店輸入の物。明るいブロンド。泡立ちよく、香りも良い。ホップの苦味も効いていて、バランスよく飲みやすいセゾンビール。
5. Vapeur en Folie (8.5% 750ml) Br.a Vapeur ※輸入:トーシンブラッセルズ
  賞味期限1997年3月のもの。セゾンビールは酸っぱいとの現在とは異なるイメージを作ったのがヴァプールのビール。酸っぱいヴァプールはこのラベル以前のものだけ。
 「ポン」という音がして栓が抜ける。やや暗いブロンド。香りには熟成香がある。
「ヴァプールは昔は酸っぱかった」との伝説を再び確認した。
 この酸味がある限り、まだ味わいを保てそう。ベルギーのビアカフェでヴィンテージ物があれば、お薦めできる。
6. Moinette II Brune (8.5% 750ml) Br.Dupont 輸入:トーシンブラッセルズ
  賞味期限2000年12月(製造は1995年?)、ブラッセルズ輸入の物だが、ブラッセルズのビールを初めて外部に卸した時のビール。日本橋高島屋で購入。泡立ち、発泡感が良い。もともと残っていた若干の甘味を酵母が食べてアルコールに代えてしまったが如く、ドライで高アルコール感がある。香味よし。
 瓶の上の方と底ではかなり味わいに差がでる。
7. Mc Chouffe (8.5% 750ml) Br.d'Chouffe 輸入:(株)廣島
  賞味期限1998年、(株)廣島輸入の物。現在、小西酒造が輸入元であるが、昔は廣島が輸入していた。1500mlのBig Chouffeというものも輸入していて非常に美味しく飲んだ記憶がある。
 このボトルはすでに気が抜けていて発泡感が失われている。ブラウン色の甘い液体と化している。残念
8. L'ecume des jours Biere Sur Lie (7% 750ml)Br.de Brunehaut 輸入:ブラッセルズ
  ビール名「レキューム・ド・ジュール」は、「日々の泡」と訳される。Boris Vianボリス・ヴィアン(1920-1959)の小説名。このビールは生産終了。その代わりにMont Saint-Aubert Biologique (6.5%)が登場した。
 賞味期限1998年。ブロンド色。発泡感がよい。状態よし。澱があり上部と底では味わいが大きく異なる。やや酸味がある。
9. Paasbier (5.2% 330ml) Br.Slaghmuylder ※もらい物
  Slaghmuylder醸造所は、Witkapを醸造している。Paasbierとは、「復活祭ビール/イースター・ビール」の意。イースタービールはこのSlaghmuylder醸造所のPaasbierが元祖。冬のクリスマスビールほどには種類はないが、イースタービールにはDe Dolle醸造所のBoskeun、Het Anker醸造所のGouden Carolus Easter Beerなどがあり、増えつつある。Paasbierは泡立ちよく、ゴールド色でクリアー。特段の個性を主張していない普通のピルスナーっぽい味。
10. Ondineke Oilsjtersen tripel (8.5% 750ml) Br.de Glazen Toren 輸入:大月酒店
  醸造所はAalst近くにある。Aalstはホップの産地で、Oilsjtersenは、「Aalst人」のあだ名。2005.9ボトリング。Aalst地元産ホップとハラタウ・ミッテルフリューの苦味が効いたトリプルタイプのビールでバランス、喉ごしよし。
11. Cuvee De Koninck (8% 750ml) Br.de Koninck 輸入:大月酒店
  賞味期限2004.8.25.。キュベ・デコはその後生産中止となり、このタイプのビールはデ・コーニンク・トリプルとなった。アンバー色。熟成香味。デ・コーニンクはもともと旅をしなそうなビールなので、キュベであっても熟成にはあまり耐えられそうにない。
12. Tripel Karmeliet (8.0% 750ml) Br.Bosteels 輸入:大月酒店
賞味期限不明だが、大月酒店が早い時期に輸入したもの。年数は経っている。ちょっと乳酸味があり、おかしい。ヤクルト風味。トリプル・カルメリートは熟成しない。早めに、美味しいうちに飲みきること。
13. DeuS Brut des Frandres 2002 (11.5% 750ml) Br.Bosteels ※ベルギー土産
ヴィンテージが2002年と古いので不安なので出品とのこと。ジュンジャー味、カモミール味など奥が深い味わい。素晴らしい味わいのシャンパン。ヴィンテージ・シャンパンを寝かすように、デウスも熟成させてみたい。
14-19. Chimay Brue 1996-1997-1998-1999-2000-2001 (9% 330ml)
  1996 1997 1998 1999 2000 2001
奉行 6 3 1 5 2 4
与力 2 5 1 6 4 3
鴻巣 5 4 1 6 2 3
川崎 2 5 1 3 4 6
八州 6 4 1 5 2 3
部長 6 5 1 3 2 4
中澤 6 3 1 2 4 5
桐生 6 4 1 2 3 5
合計 39 33 8 32 23 33
順位 6 4 1 3 2 4
  Chimay Brue 1996 9% 330ml ※輸入:河内屋
 発泡感が無く、老酒味。ロースト味の濃いブリュームあるアルコールの液体。6ヴィンテージの中で、最も人気がなかったが、与力は意外と好きな味とのこと。
Chimay Brue 1997 9% 330ml ※輸入:河内屋
 発泡感あり。老酒味。濃醇ではある。2001年とともに評判今一つ。
Chimay Brue 1998 9% 330ml ※輸入:日本ビール
 1997のあとにこのビールを飲むと、凄い差を感じる。薄くてドライなのだ。しかし、泡立ちよく、柔らかな味わい。適度なボリューム感。ビールの状態が良いのであろう。
 結果として、このビールが全員1番好きとの判断。
Chimay Brue 1999 9% 330ml ※輸入:河内屋
 このヴィンテージも薄いと感じる。1998年から作りが変わったのか?。このボトルはただし、泡立ち良くなく味も変。
Chimay Brue 2000 9% 330ml ※輸入:廣島
 これも薄いと感じるがバランスよし。フレッシュ感がある。現在のシメイ・ブルーに共通する味わいである。そのせいか、2番目に人気のヴィンテージとなった。
Chimay Brue 2001 9% 330ml ※輸入:河内屋
 これも現在に通じる味わい。3人が3番目に好きとの結果。
Domaine des Bois lucas Touraine Sauvignon Blanc NV(2003)
ドメーヌ デ ボアルキャ トゥーレーヌ ブラン
  シメイの飲み比べが終了し一段落。ビールに疲れたので、代官が差し入れたのは、ドメーヌ デ ボアルキャのトゥーレーヌ ブラン。新井順子女子が作るビオディナミのワイン。とてつもない果実味。よくこれ買えたね>
20. Grimbergen Roussa (6.2% 330ml) Br. Union (Alken-Maes)  ※ベルギー土産
賞味期限2003.4.26.。グリムベルゲンの珍しいビール。アンバー色でやや甘い。熟成味がでているが、もともと熟成できそうなビールでないから、美味しくなっているわけではない。このグリムベルゲンのシリーズは早飲みタイプである。
 
21-22.Samichlaus1996 /Samichlaus2001
Samichlaus1996(13.1% 250ml)
サミクラウスは本来、スイスの「スイス・ハーリマン社」で 醸造されていたが 生産中止となる。1996年は中止前のビール。凝縮した味わい
Samichlaus2001(14.-% 330ml)
オーストリアのCastle Br.Eggenberg製。バーレイワイン。
23. Oudbeitje (6% 375ml) Hanssens Artisanaal 輸入:木内酒造
ブーンとジラルダンをブレンドした2年物ランビック600リットルにイチゴを150kg漬け込む。2次醗酵の後、瓶詰め。さらに1年間寝かせる。
以前に味わったことがあるが、味わいが薄く関心できなかった。今回のロットはイチゴの香りと木樽の味わいが強い。また発泡感も非常に強く、ハンセンスのグーズやクリークと共通する味わい。
24. Cantillon Bruocsella (5% 375ml) Br.Cantillonl 輸入:小西酒造
1992年2月輸入の物。ランビックとして十分熟成している。素晴らしい酸味はさらに増しているよう。グレープフルーツの香味がストレートに伝わる。
 まだまだ、熟成が可能。「30年保つ」というのは本当かもしれない。
25. Julius (8.8% 330ml) Br.De Kluis 輸入:小西酒造
賞味期限1997.11のもの。昔小西酒造が輸入していた時のもの。生産中止となったわけではなく、ベルギーでは継続して生産されている。アンバー色で甘い。熟成感あり老酒味。もう少し発泡感が残っていれば美味しいかも
 
26. Drie Fonteinen Oude Geuze 1999 (6.5% 750ml) Br.3 Fonteinen 輸入:小西酒造
最後のビールは、ドリー・フォンテイネン・グーズ1999。何回も登場しているが、さすが安心な味わいのグーズ。酸味よし。グレープフルーツ味あるがちょっと雑味、グレープフルーツの皮の味も混じる。
料理

ベルギービールの魅力
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